「哀歌」

新聞連載の小説が終わりました。曽野綾子
○年前に同じく連載で「天上の青」を読んで以来。まちがい、そのあと読み直したんだった。
新聞で読むと毎日細切れなので、終わり方がとても唐突に感じてしまうことがあります。(高村某さんの某作品は別格だろうけど)
うん、でもあの終わり方は嫌いじゃない。ちょっと説明的すぎるけど。


ただ、彼女の作品があまり好きになれない理由に登場人物たちが酔いすぎている点があります。
自分に、あるいは別の登場人物に酔いしれている。
神に心酔していたヒロインは、彼という新たな偶像を崇拝して生きていくのでしょう。それはいいんです。
感情移入しながら読んでいる最中は良いのですが、ぷつりと断ち切られるようにお話が終わってしまうと、残るのは虚脱感です。


多分、書籍化されて読み直すとまた違った印象なんでしょうけれども*1、どうも不完全燃焼。

*1:「天上の青」も単行本で読みなおした方が楽しめました