書こうと思ってたことその壱。
書けるうちに書いておきます。なんていうとスランプに陥っていた職業文筆家のようでちょっとおかしい。
「死」「病気」「別離」「恋愛」↑これらの要素が全く無いにも関わらず切なくて悲しくてたまらなくなる本や漫画を教えて下さい。「死」「病気」「別離」「恋愛」のうちひとつでもあてはまってしまう場合は0ptですのでご注意下さいね。
冬野さほさんの「Cloudy Wednesday」はどうでしょうか。
クリスマスの少し前の、小さな女の子の心象風景を描いた短編ですが、ものすごく切ない話です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150105502/hatena-q-22
Amazon.co.jp: ソングマスター (ハヤカワ文庫 SF 550): オースン・スコット・カード, 冬川 亘: 本
- 作者: オースン・スコット・カード
- 出版社/メーカー: 早川書房
- メディア: 文庫
難しい条件ですが、オースン・スコット・カードの「ソングマスター」なんていかがでしょうか。
近未来を舞台にした「歌」がテーマの壮大なストーリーです。
ものがたりゆんぼくん (上) (Bamboo comics)
- 作者: 西原 理恵子
- 出版社/メーカー: 竹書房
- メディア: コミック
一つ目は日本橋ヨヲコの「極東学園天国」です。いわゆる学園青春モノで、世間のつまはじき者達ががむしゃらに頑張っている姿を見ると、感動と共に大人になってしまった自分に対する切なさを感じます。
二つ目は西原理恵子の「ゆんぼくん」。田舎を舞台にしたギャグマンガです。都会育ちの私でも郷愁を誘われ切ない気分になります。良いマンガですよ。
- 作者: サリンジャー
- 出版社/メーカー: 新潮社
- メディア: 文庫
サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』の中の「小舟のほとりで」あたりはどうでしょう。
ユダヤ人の母と子の交流を繊細に描きながら、ラストに外の社会の暴力的な状況がかいま見えて、とってもせつない読後感を残す短編だと思います。
- 作者: ちば あきお
- 出版社/メーカー: 集英社
- メディア: 文庫
「キャプテン」中学野球のお話です。
4代にわたる主人公がスター的な人間でないところがいいです。
一人目の谷口は頼りない少年が勘違いでキャプテンになってしまうお話。
O’Henryの賢者の贈り物は?悲しくて、切ない、だけど心のあたたまる作品だと思います。
貧しい夫婦が、クリスマスプレゼントとして互い贈るものが買えない。妻は自分の大切にしている髪を売り、夫に時計のチェーンを買います。夫は大切にしている時計を売り、妻に髪をとかす櫛を買います。
bk1から探せなかったので、書評の紹介です。
http://electronics.hihyo.com/books_O.%20%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83...
「わたしのうみべ」長新太さんの絵本には、楽しい中に気味の悪さが混ざっているように思います。これは、朝のうみべに流れ着くものなんですが、奇妙なものばかりで、胸の辺りが締め付けられるのですが、好みによるかもしれません。
「日本の色269色」ただの色見本です。それなのに、時々切ないような色の名があるので、書きました。日本古来の色の名が特に。甕覗き・勿忘草色・はなだ色のような青系…単に青いからなのかもしれません。とき色(ピンク)は、ニッポニア・ニッポン(鴇の学名)が絶滅したからなので、「死」が入ってしまうし。
- 作者: 永田 泰弘
- 出版社/メーカー: 小学館
- メディア: 文庫
「わたしのうみべ」長新太さんの絵本には、楽しい中に気味の悪さが混ざっているように思います。これは、朝のうみべに流れ着くものなんですが、奇妙なものばかりで、胸の辺りが締め付けられるのですが、好みによるかもしれません。
「日本の色269色」ただの色見本です。それなのに、時々切ないような色の名があるので、書きました。日本古来の色の名が特に。甕覗き・勿忘草色・はなだ色のような青系…単に青いからなのかもしれません。とき色(ピンク)は、ニッポニア・ニッポン(鴇の学名)が絶滅したからなので、「死」が入ってしまうし。
一冊目は天童荒太「孤独の歌声」です。
人は一人で生きてゆく、その当たり前のことを気づかせてくれた本です。
二冊目は「なみをばけつにくんだらば」です。
ISBNが見つけられなかったのでURLを載せました。
子供向きに書かれた詩集ですが、大人になってから読む今、忘れていた感情がこんなにあるものかとずきずきします。
「ピアノの森」
現在進行形なので今後どうなるかはわかりませんが、現時点では条件はクリアしていると思います。
ピアノの話ですが、切なくなります。
まぁ、人によってとらえ方は違うでしょうが・・・
- 作者: ダニエル キイス
- 出版社/メーカー: 早川書房
- メディア: 新書
初めまして(ではないですね(笑))E.A.Poe(知のくずかご)と申します。
主題:ダニエル・キイス著「アルジャーノンに花束を」を勧める
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以下は以前小生がどこかのサイトに寄せた紹介文の抜粋です。
>主人公のチャーリィは生まれつきの知能障害だが、単純に「あたまがよくなりたい」と願っている32歳の青年。
>彼に最新の医療実験の話が飛び込んできた。
>「この手術を受ければあたまがよくなるよ。ただし、人間では第1号になるんだがね」
>大喜びで手術を承諾するチャーリィ。彼は徐々に知能指数が上がり、ついにはIQ185の超天才へと変貌するが、同時に
今までいかに自分が虐げられてきたか、バカにされてきたかに気づいてしまう。
>孤独を感じるチャーリィに、さらに悪い知らせが待っていた・・・
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内容的には恋愛要素もありますが主題ではないですが、死はないものの「知能の高い自分との別れ」という意味では「別離」とも言えます。
しかし、それでもこの本を推した理由は
「自分とは何か?」「自分が自分でいられる保障とは何か?」「知能だけが自分なのか?」という深い問いを
感動的な悲劇に持って行ったキイスの手腕を味わって欲しかったからです。
もし、既読であるとか「別離要素があるからダメ」という場合は、ポイントは結構です。
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お役に立ちますかどうか。
「劇画・オバQ」
切なくてたまりません。
http://www1.odn.ne.jp/cjt24200/yamada/text/q/
↑ネタバレしてますが。
「七色いんこ」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4253173373/249-1934553-...
設定が切ない。「天才『代役』俳優」というところが。
完璧にこなすけれども代役。
<おまけ>
太宰治「一つの約束」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/43069_17525.html
とても短いので、あらすじを説明するより青空文庫で読んでいただいたほうがはやいです。
太宰治「花火」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/264.html
いわゆるダメな男となってしまった兄に、たかられ続ける妹が必死に兄をかばい続ける痛々しい話。
最後の最後に唐突に「死」が出てきてしまいますが、
これによって効果的に悲しさを演出するというような
手法ではありません。最後の妹の台詞は、カフカの
「変身」の結末を彷彿とさせました。
本や漫画ではなく映画ですが
「リリィシュシュのすべて」は切なくて悲しくてたまりません。
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=1058
- 作者: 遠藤 周作
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- メディア: 文庫
「悲しみの歌」「おバカさん」は自分の努力を無にされるような、人間相身互いの不理解が切なく悲しいと思います。
その努力をしている人間が純粋であればあるだけ泣けてきますね……
「月と六ペンス」は、要素としては恋愛も病気も死も出てきます。
けど、けっしてそれらがメインテーマではありません。
すべては芸術のために、他人が恋愛に陥っている状態を観察し、冷静に見てしまうような視点の超越した主人公と、その主人公の芸術を理解して支えたいのに、そういう要素に苦悩する普通の人間でしかない友人の姿が軋轢を生むのが非常に切ないです。
一応、メインテーマではないとはいえ条件に上げられた要素を含みますので、これは違うと思われましたらポイントは結構です。
- 作者: 三浦 哲郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- メディア: 文庫
ドラえもんの「ぼくが生まれた日」。
これは泣けます。
誕生日だと言うのに両親と喧嘩した、のび太。「僕なんか愛されていないんだ?」といつもの調子で泣くのですがそれならば、とドラえもんと一緒に自分が生まれた日にタイムマシンで旅立ちます。そこで、彼が「自分がいかに望まれて生まれた来た子供だったか」「どれだけ愛されているのか」を知るのです。死も病気も別離も恋愛もない。ただ純粋な両親の愛情の物語です。号泣しました。自分も子供のころ、両親と衝突するたびに「私なんか…」と思ったので、尚更泣けました。
三浦哲郎「盆土産」
出稼ぎに行っていた父親が、お土産にエビフライを持って帰ってきて子供たちに食べさせる話。それだけですが、泣ける話です。初めてエビフライを食べた子供が、母の墓前で(お盆なので、墓参り。話の中で死ぬわけではありません)母親に「食べさせてあげたかった」と思う場面や、親が子供にエビフライを「二匹ずつ食え(ちょっとしかない)」と言う場面や…非常に描写が細かくて、すっごくささやかな話ですが、泣けます。
これも親の愛情の話、に分類されますね。いい話です。
岡本かの子の「鮨」です。
(http://www.aozora.gr.jp/cards/000076/files/1016.htmlで読めます。)偏食で食事が苦痛でしかない男の子とその母の話です。大人になったその男の子が、鮨やの娘に思い出を語る、という体裁をとっています。
この作品からの連想で、芥川龍之介の「雛」を思い出したのですが、こちらは家が没落してひな人形を手放すことになる一家の話。人と人ではないけれど「別離」ものになるからアウトかな?(こちらで読めます。http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/47_15276.html)
最後は漫画で『棒がいっぽん』(高野文子)冒頭の「美しき町」です。ぜんぜん悲しい話ではないんです。普通の人の日常を淡々と描いたものなのに(新婚夫婦が主人公ですが「恋愛もの」ではない...と思います)、たまらない幸福感と喪失感を感じます。「たとえば三十年たったあとで/今の、こうしたことを思い出したりするのかしら/子供がいて、大人になってまた思い出したりするのかしら/ノブオさんはそんなふうなことを思っていました/サナエさんもそんなふうなことをおもっていました/この町で。」という文章を読んでいると目の奥がつーんとしてきます。
それにしても「死」「病気」「別離」「恋愛」を除外すると、けっこう難しいですね。上3つもぎりぎりのラインかも。(outだと思ったら遠慮なく0ptでいいです。ご紹介したかっただけなので-笑-)
他の方が挙げておられましたが西原理恵子の漫画は、私もおすすめです。
西原理恵子の上京ものがたり。
絵もストーリーも含めて、総合的にかなり切ないと思います。西原さんの私小説ならぬ私漫画といったところでしょうか。アドバンテージの少ない女の子が東京に出てきて、地味ーに辛酸をなめる話です。
- 作者: 川端 裕人
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- メディア: 文庫
お金を巡る投資に魅せられた人々が繰り広げる物語です。主人公とその仲間の交流を通しての哀愁がいい作品です。お金とは一体どういうものなのか、私は切なくなりました。経済に興味があれば、ぜひオススメしたい良質な小説であることは間違いありません。
ピンポン (3) (Big spirits comics special)
- 作者: 松本 大洋
- 出版社/メーカー: 小学館
- メディア: コミック
ピンポン3巻です。
天性の才能を開花させたスマイルに道場破りを挑むアクマがコテンパンに負かされ、負けた理由がわからず激怒して問いつめるも卓球の才能が無いだけだと一蹴されるシーン。
人一倍の卓球への情熱を持ち、血の出るような努力をしても天才を抜くことが出来ない瞬間。
悲しいけど現実ってこんなもんだなと…。
死や病気や別離がなくても切なくなれてしまう(個人的に)本をいまさらご紹介。
泣かせたければ動物や子供を使え、というセオリーどおりではありますがいせひでこさんの母としての温かい視点、それでいて客観的で冷静な筆致(絵も文も)が大好きです。
- 作者: 伊勢英子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2001/04
- メディア: 文庫
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後半は自分の小さかったころのことを思い出して、切ない。(こちらは別離がからんでいるかな)
私自身は妹だったことは一度もないし、お引越しをしたこともないのだけれど、
「今日とは違う明日が必ずやってきて、少しずつ確実にお姉さんになっていけていた嬉しさ」や
「過去に慣れ親しんだ美しい、当時は当たり前だった光景をふと思い出して、それを二度と見ることはないのだと悟り、こころの奥に寂しい風が吹いたこと」なんかを思い出させてくれるのです。
小さなおんなのこだった人たちにお薦めしたい本です。
ちなみに伊勢英子さんとの出逢いは
- 作者: 伊勢英子
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1996/12/01
- メディア: 文庫
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犬好き必携のシリーズです。
こちらのグレイ三部作は死や病気や別離満載で切ない本ですが、泣き笑いもたくさん。
でもプレーリードッグのぶう
- 作者: 伊勢英子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2000/11
- メディア: 文庫
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*1:一面識もなかったのですが、質問者の方が退会されていて驚きました。本関係の質問、好きだったのです…残念!