ちょっとだけタイムリーな。

眩暈 (講談社文庫)

眩暈 (講談社文庫)

読んだ。
中国産の食品やなんやがヤバイよ怖いよという世相にあわせたわけではないのですが、公害問題や食品添加物などに興味を持つ青年の手記で始まる、御手洗シリーズの長編。
手記部分がマジでこわいんですけど……(泣)


そして島田さんらしい大仕掛けなトリックと、ほとんど無理やりにしか見えないのにきちんとはまっているパズルのピースに打ちのめされました!
伏線がどれもこれも違和感ありありで、「これおかしいやろ!」といいたくなるのですが、それを破綻なくどうまとめてくるかと思ったら……
某屋敷の犯罪並の壮大かつお馬鹿な感じ*1で大変よろしかったです。
魔神の遊戯は壮大なんですがちょっと違うんだなー。


本筋とはほとんど関係ないのですが、御手洗と教授とのトークが専門分野よりでちょっと楽しかったです。分子生物学はいまや単なるツールですよ教授。
でもって、御手洗氏と石岡君とのこなれすぎている夫婦っぷりには何も申し上げることはありません。もう君たちはそのまま枯れていけばいいと思うよ。

*1:ほめているつもりです