ごちそうさま!

奇術師の密室 (扶桑社ミステリー)

奇術師の密室 (扶桑社ミステリー)

わりかしミーハーな弟の本棚から選んだ一冊。
もしかして某映画の原作かと思いましたが違いました。タイトルが微妙やねん。
脳卒中の結果植物人間(この表現はどうかと思うけど、ミスター・キャベツとかカリフラワーとかジャガイモと自分が称しているのだから仕方ないですね)となった老奇術師が、自分の目で見たものを語っていくという趣向です。


(以下追記。微妙にネタバレっぽいかも?)


2006年のこのミスに選ばれたとかで、納得の内容でした。
動けず、声も出せない老奇術師の目の前で繰り広げられる、けれんみたっぷりの登場人物たちによる密室イリュージョン。
会話から想定される人間関係の濃いことといったら!
どんでん返しの連続に掌の上で転がされている快感を味わいたいなら、これほど適した本もないかと思います。


で、その結果として、わりと2時間ドラマにもありがちっぽいエンディングになってるのは、場所の制約があるぶん仕方ないのかもしれません。