凱旋(大学院はてな)

以前うちの研究室で博士号をとってアメリカの某大学でPDをされていた先輩が
ヴィザ更新に一時帰国し、セミナをされました。
神経内科医の永遠のテーマ?(よく知らない)ALS*1を研究されているそうです。
三年かかって実験系を立ち上げ、キメラマウスやTgマウスを作製しいよいよこれから解析という感じです。


興味深かったのは、このラボにいた時に彼が扱っていたテーマ、ついていた教官のテーマ(ubiquitination)、今ここで進んでいるテーマ(G protein)がすべて上手く組み合わさっていたことです。
そういう研究の進め方が出来る人はきっとハッピィな研究者人生を送ることが出来るのでしょうね。
(もちろん、テーマが完全に変わったからと言ってアンハッピィだとは思いませんが)


しかし、留学先がアメリカ南部なもんで見事に日焼けしてなんか地黒になって…いました。
京都にいた頃は銀縁眼鏡で細身で色白が上品な感じの優男だったのに…(泣)
ファンだったのです。くすん。
髪型も坊ちゃん刈りが中途半端に伸びたみたいになってて、それもまたちょっとせつない。


追記。
ALSについてのページ。
http://jsnp.bcasj.or.jp/cerebral_1_main.htm
家族性ALSの原因としてSOD-1とともにALS2があげられています。
先輩は、MutantSOD-1のloxPマウスをいろんなCreと掛け合わせた実験をされておりました。
セミナでの話によると、酸化ストレス説は考えにくい*2ので
Aggregation仮説およびミトコンドリアでの?障害(傷害か?)が原因という仮説を支持とのこと。
このALS2がどうもhalf-lifeが非常に短いらしいです(ユビキチン化によるタンパク分解)。
それからGEFドメインを3カ所持っているらしいので(Gprotein)下流のシグナル系列を解析すると面白そうです。

*1:筋萎縮性側索硬化症。彼が扱っているのは家族性のほうらしい。参考?URL→http://www.kobegakuin.ac.jp/~hrc-hp/kinen/01_2.html

*2:いろんな実験で否定的データが出ている