読み終わった本のちゅーとはんぱな感想

ちょっと前に話題になった本が105円で買えるブックオフばんざい(笑)
はてなでの言及数がすごいんですが、日付を見ていると皆様の日記と私のそれが1年くらい余裕でずれていますことよ。

1冊目。

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)

うん。まあ、いい話だと思うよ。
感動できるかとか、ミステリなのかとか、あの有名作品とネタが一緒だとかそういうのはさておきですね、読後感は悪くなかったというその一点においてこの作品は私の中では「好き」の部類に入ります。
美しい風景の描写や人間関係のあたたかさを前半から中盤にかけてしっかり刷り込まれていたからこそ
「事件」が起こってからの急な展開にも付いていけたのかもしれません。
脳の話などは興味深く読みましたが、ちょっとばかり内容が古い*1のは仕方ないですね。

2冊目。

六番目の小夜子 (新潮文庫)

六番目の小夜子 (新潮文庫)

この方の作品、「球形の季節」とこれしか読んだことないんですが。
舞台や登場人物の雰囲気が似てますね…
女子高生が主人公(少なくとも最初の登場人物ではある)だけれど、謎に迫っていくのは優等生の男子高校生だったりするあたりとか、
謎や恐怖がちりばめられつつも、完全にはそれが解決されないところとか。
レトロな雰囲気が好き。


もう少し前に読んでいたのは(これは古本市場で買ったのだったかな)

エイジ (新潮文庫)

エイジ (新潮文庫)

途中から*2「エイジ」に全く共感も感情移入もできなくなったのは、私が少年ではなく少女だったからなのかもしれません。
あるいは、コードのようにつながったもろもろを断ち切ることのできなかった優等生だったからかもしれません。
それでも彼には帰っていくところがあり、その場所=年齢と共にちょっと醒めた眼で眺めるようになっていた両親の所、という展開になっていて…お話として、本当に良かったなと思った次第。
そんな風に受け止めてもらえる家庭があってなお、壁の向こう側へ行きかけてしまう子もいるということを忘れないでいたいと思います。
あと12年後くらいまで。


で、ストーリーとしては好きなんですが、それを書いた作者の事を考えるとちょっとむずむずする…上手くいえないんだけど。
作者もまた、この作品に出てくるような「物分りの良い大人」だと思うんですが、その本人が中学生の視点を使った小説を書くことで「物分りのよさ」をよりいっそう演出しようとしているような感じがしなくもないです。


ところで少年の社会へ向ける視線と犯罪へのかかわり、
というような感じの作品、昔読んだな…と思って本棚をあさって見つけたのがこちら。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1)
当然ながら色々と古いんだけど最近の高校生モノと読み比べるとそれはそれで味わい深いものがあります。
江戸川乱歩賞受賞作品なので、全集が出ているんですね。


そういえば「エイジ」と一緒に購入した「池袋ウエストゲートパーク」、まだ読んでませんでした。
書店に行くと漫画化されていてびっくりしたですよ。
最近は売れた本=映像化(しかも複数)+漫画化というのが定石なんでしょうか?
(ぱっと思いつくのは「せかちゅー」くらいですが)

*1:脳細胞が再生しないとかそういう話。

*2:多分このお話で一番盛り上がる場面なんですけどね