魅力のある人材についてのメモ。

バイオ*1って本当に魅力的で未来のある分野なのか、と思います。
たぶん今いるラボはそれなりに流行の分野で、各方面からお金が投入されてもいて、そういう面では恵まれている環境なのですが、それでも少々「とう」のたったポスドクさんは次の仕事先探しに苦労されています。
この分野でのバイオベンチャーが神戸あたりには花盛りなのですが、福利厚生や職場としての安定性はやはり大企業の足元には及ばないようで、なおかつ常にポストを募集しているように見えるけれども、実際にほしいのは純粋な研究だけにとどまらずなんでもできる(たとえば製薬会社などでの企業経験もあるような?)オールマイティーな人材である、ということのようです。


某企業の研究員さんによると…実際のところ、企業がほしいのは(博士ではなく)もっと泥臭い仕事ができる人材だということです。
曖昧な表現でアレですけど、、、ひたすら分析をしたり、実験動物を扱ったり…そういうのは結局薬学部や化学関係出身のヒトのほうが強いのですよね。
大学の学部としては(薬学部はともかく)あまり人気がないところだけど、求人は多いということのよう。
ところが、薬学部出身者はそういうところにはあまり行かないようで、製薬や食品のその手の部門は常に閑古鳥が鳴いている状態だとか。
実際、派遣会社の求人情報でもそういう求人は派遣ではなく最初から正社員での募集だったり、紹介予定派遣だったりするところが多いです。


純粋に分子生物学的な実験だけやっていてはつぶしがきかない、ということを肝に銘じてやっていかなければと思う今日この頃。
その手の求人は(いわゆる実験補助員、技術or教務補佐員、リサーチアシスタントなどもそうかな?)数は多いけれども決してパーマネントにはなり得ないのですから。
一日6時間、週休二日と割り切ってやっているぶんには気楽なようですが。
それは企業においても同じことですけども。
現在の自分の状況を鑑みるにパーマネントであればそれでいいのだ、とは思わないけど、いろんな点での発展性を求めるにはちょっと難しい立ち位置ではあります。


あえてここ*2から製薬などの応用研究に食い込んでいけそうなラインと言えば、実験動物では代替できない代謝物の研究に使えるvitroでのアッセイ系の開発、あるいはヒトの細胞の代わりになりうる実験動物…などでしょうか。
COEでの大量のお金が投下されている事情もこのへんが大きいのかと思います。
あまり詳しく述べると現所属がばれそうなのであとは…ごにょごにょ。

*1:というと範囲が広すぎるけど、そういう名前の付く単科大学もできるくらいですから。

*2:研究分野としては発生生物学や再生とか、かな?