変身、読みました

東野圭吾のほうです。映画化されてたんですね。

変身 (講談社文庫)

変身 (講談社文庫)


感想は後ほど。
免疫やってる人間からするとちょっと設定に無理っぽい雰囲気を感じます。


(7/30追記。ネタバレも含むので未読の方はご注意ください。)


まずさ、脳移植で免疫不適合っておかしくない?脳血流関門はどしたの?
ってなことはさておいても、今まで読んだ東野圭吾作品の中ではピカイチに不満の残る読後感でした。
テーマの掘り下げがたりん!ていうか、ページが少ないんちゃうん!と思うわけです。
…。(すんませんごめんなさい、あっ、ファンの人、刺さないで!!


たとえば、あと150ページくらい増やせば…
だんだん「変身」していく主人公の自分に対する恐怖を詳細に述べたり、
もっと心理描写してもいいところでさらっと流してしまったりもできるし、
医師の手記を乗せるならもう少し(はったりであっても)医学的な記述を増やしたりできそうだし。
ミステリとかサスペンスとか、そういうジャンルじゃないですよね。どちらかというと淡々と登場人物を描写していく内容です。だがそれがいい
それか、もういっそ、開き直っちゃってエンターテインメントらしい大風呂敷広げてもいいと思ったのです。
なんか中途半端な感じ。


後味の悪い作品系列でいえば…「犯罪者の周囲にいる人の生き様や、こころのありかた」を描いていたり、流されてほとんど救いのないエンディングに到達していくところなど

手紙

手紙

に近いものを感じました。
直木賞受賞作とかもそれっぽい…のかな?


あと、ドナーにトキオくんがでてくるんですが、これは時生 (講談社文庫)とはつながってないですよね。
一瞬「お?」と思ったんだけど、よく見ると名前の字が違いますね。