三回忌

夏の終わりは祖父と別れた季節、早いもので先日が三回忌となりました。
三度目ともなればごくごく身内だけの儀式なのでしたが、今回はお坊さんの指導により元気だった頃の祖父とのエピソードを順に話していくというイベントがありました。
10人あまりの近しい人々が話す「祖父と自分」のストーリーは、当然ながらそれぞれ異なった視点から描かれており、お互いに知らなかった彼の姿と彼への思いを共有するとともに、自分自身も当時とは違ってきていることを改めて認識させられることになったわけです。
あのときはこう話した、では今ならどういう風に応えるか?
そのことばを、南無阿弥陀仏に乗せて伝えつつ、私と会えなかったひ孫の成長をこれからも見せに来ることを誓いました。


息子を連れて週末ごとに病院に通ったあの日々を、新しい記憶の層で少しずつ塗り込めてきたし、これからも上塗りを重ねて行くのですね。
忘却には罪悪感が伴わなくもないですが、いずれ自分もそうやって忘れ去られるという事実があるわけで。
これからもいのちはそんなふうに連綿とつながり螺旋を上っていくのだから、とりあえずは一日一日を大切にしていきたいと思ったりするのです。